唇に触れて

f:id:hajime_tokyo:20191015053138j:plain

 

その日は朝から忙しなく歩き回っていた。

早番の朝礼、開演前の日次業務。

それでも笑顔で。いつもの朝。

 

  研修を終えた新人にとっては今日が現場の初日。沢山の新人が配属されてきた。研修所で何度か講義をして、幾人かの顔は覚えていたけど、名前は全然一致していない。「Youは」ってごまかさないといけないくらい沢山配属されてくるから最後まで覚えられないままいつのまにかいなくなる人も沢山いる。そういう職場。

  夕方近く、敷地を巡回する幌建のバスに乗って、離れにある建屋で事務仕事に向かう。「お疲れ様です!」と声をかけて乗り込んで来たのは今日配属の新人。少し子供っぽい。いや、メイクしていなかったら殆ど高校生のバイトちゃん。前髪を上げた「おでこの彼女」はボクの座席の前に座り、早番の勤務上がりで同じ建屋に向かう。この日は早朝から動き回っていたのでさすがに疲れた。夕陽の中をゆったりと移動するバス、思わず目を閉じて暫し居眠り。

 

  なんか唇が。。唇に何かが触れている。何?

 

  目を開けたらおでこの彼女が人差し指で下唇に触れていた、目があって、彼女はたじろぎもせずに、そのまま僕の唇をそっとなぞった。そして触れた指を引いて満足そうな笑みで僕を見つめて、何事もなかったかのように前を向いて座り続けた。

 

                                                    ーーーーーーーーーーーーー

 

 ここで目が覚めた(んじゃないけどここから先はR指定なのでナイショ)。前日、リゾート様のゴルフ場にゴルフに行ったので、そういう残像が重なった。

 

 三連休最終日の朝。沈黙していた彼女のTLに頭痛は良くなったとレスが届いでいて安堵した。良い一日を。


f:id:hajime_tokyo:20191015052803j:plain