長月に吹く風は

f:id:hajime_tokyo:20200906125501j:plain

 

短い夏が終わり、早くも台風の季節。

僕は相変わらず誰とも逢わず、誰とも話さない週末。

ここから先のことを考える前に、自分を癒さないと。。

 

 ここまで、自分が出来ることは全部やろうと決めて、頑張って走り続けて、振り返ってそれらはそれなりの「成果」は出したけど、結局のところそれらの成果はいろんなものを削って、いろんなものを壊して、それらが「変換」されて生まれた何等かの産物でしかない。そしてそれらは一度は自分を慰め、励ましたけれど、削って壊れたものが元に戻るには相当な時間を要すのだということに今更気が付いた。これが今年の夏、誰とも逢わず、誰とも話さないことで気が付いた意味のある「成果」だ。

 

 さはさりながら、それらはみんな、元は「ビジネスパーソン」としての役目を果たしたことで得られたものばかりで、ボク自身の「人間としての」一番満足する部分をなにも満たせていない。どんなに仕事が出来たって、どんなにビジネスパーソンとして耳目を集めたって、だからなんなんだ。そういうことを思い知らされた夏でもある。

 

 いま一番自分を精神的に苦しめているものは、「ボクはどこにいったんだ?」ということ。人間として、ヒューマンビーイングとしてのボクの本当の想いを、一体だれが見つけてくれるのだろうかと。どんなに耳目を集めても、どんなに成果を出そうとも、結局何も自分を癒さない。そんなことを考えているといつの間にか朝になって、何もしないわけにもいかないからお金を得るためだけの仕事に向かう。その上でそのお金で責務を果たし、自分の表現の一翼を担い、そしてお願いしかしてこない親族に最低限の顔向けをして、それでもう精いっぱい。いい歳なんだからここから先はプラプラ遊べばいいのになんて言ったものもいるけれど、そんなものの一体何が僕を癒すというのだろうか。。

 

 そんな夏の終り頃に、執着を捨てて見つけた景色、新しく吹いた風は、本当の意味で僕を少しだけ癒してくれた。人の生きる姿を目の当たりにして、自分が癒されるなんて思ってもいなかった。ただ、この風はもう少しすると違う場所に吹く風になる。なんか以前の状況と似ているな。。

 

 そうなったらなったでまた、風を見つけに行くことになるのだろうか。。それはなんか、嫌だな。。もっとも、その風を摑まえても、何が出来るわけではないのかもしれないけれど。

 

 そんなことを考えないといけない自分に、又落ち込む。

 後先なんか考えないで突き進めるほど、僕は若くない。

 結局、そこに帰結してしまうのか。

 

 

 バカ、意気地なし。しっかりしろよ。。